卒業生の近況
音楽系列で学んだ先輩たちが、道内外で音楽の教員や大学生として活躍しています。三人の卒業生の声をご紹介します。
阿部 真優(あべ まゆう:2017年3月卒業)
私は現在、札幌市内の中学校に勤務しています。
専門性に優れ、様々な角度からサポートしてくださる先生方をはじめ、音楽、そして自分と向き合える環境。自分の得意なことを最大限伸ばし、苦手なことにも逃げずに挑戦できる場所。それが札幌厚別高校の音楽系列だと思います。「音楽の先生になりたい」、「剣道を続けたい」という意思を強く持って進学した私は、剣道部に所属しました。部活動と音楽系列の両立は、決して簡単な道ではありませんでしたが、自分の意思でやり抜くと決め、人一倍努力をしました。その成果が実を結び、高校生活では、音楽の専門性だけではなく、自分で選択したことに責任をもってやり抜く力が身につきました。「努力は裏切らない」。私が札幌厚別高校で過ごした3年間を通して学んだ言葉です。
中尾 みのり(なかお みのり:2018年3月卒業)
私は現在、道東の中学校に勤務しています。
厚別高校の音楽系列は、幼い頃からヴァイオリンを習っていた私にとって自分の好きなことや興味のあることが学べる場所でした。オーケストラの一員として演奏したり、みんなで合唱したり、時には友達や先生方とアンサンブルしたり…と充実した高校生活でした。私は得意・不得意に大きく差がありましたが、音楽系列の先生方は苦手な声楽やピアノの授業も基礎から丁寧に教えてくれました。
現在の仕事では、音楽系列で学んだことや身につけたことを活かし、授業の中でなかなか生の演奏を聴く機会がない生徒に向けて教科書に載っている曲や最近流行っている曲をヴァイオリンで演奏しています。「先生が来てからオーケストラに興味を持つようになって動画を見るようになった!」という生徒の声が自分自身の励みになり、自分の強みを活かすことのできるこの仕事に誇りを持っています。これからも授業を通して、生徒に“音楽の楽しさ”を伝えていけるように努めていきます。
鈴木 千遥 (すずき ちはる:2019年3月卒業)
私は現在、東京藝術大学音楽学部作曲科に在籍しています。大学では、作曲のレッスンや楽曲分析の授業を通して創作に必要な技術と知識を学んでいます。また、国内外で多くの演奏活動を行っている学生や、最前線で研究を行っている学生とともに学ぶ中で、日々多くの刺激を受けています。今は、小説からインスピレーションを受けた作品や、戦後の西洋音楽の構造を応用した作品を書いています。
音楽系列では、藝大受験に向けて多くのサポートをして頂きました。音楽理論とソルフェージュの授業では、基礎的な知識と技能を学び、オーケストラや弦楽アンサンブル、ピアノ等の実技の授業では、実践的に音楽を学びました。そして放課後に行われていたソルフェージュのクラスでは、個人の進路に合わせた、より高度な内容の課題に取り組み、受験対策をしていました。札幌厚別高校で学んだこれらのことは、今でも、大学の授業や自分の創作活動の様々な場面で支えになっています。